コマンドブルックス翌年デビューも不安なし!!母似の馬体で母産駒の勝ち上がり率80%に続く
- 2020.05.19
- 広尾 コマンドブルックス
- 広尾TC, 牡馬, 育成
最初のヤマは意外と早く
周回コースの運動でトモに疲れが出たようで、牧場でも意外だったらしく、より慎重に育成していくために今はリフレッシュに入っています。新種牡馬のワールドエースですから、どのような産駒が出るか分かりませんので、意外というのはつきものかもしれません。
とはいえ、仕上がりの遅さは、ワールドエースというより、母アスクコマンダーの特徴のようです。後述のとおりワールドエース産駒のデビューが遅いわけではありません。
一方で、アスクコマンダー産駒の中央デビューは、早い仔で11月で、遅い仔だと3月にデビューしていますから、コマンドブルックスの仕上がりのスローなところはお母さん似と思います。
- エイシンクエスト(2006年 父コロナドズクエスト) 12月デビュー
- トレノエンジェル(2007年 父タイキシャトル) 3月デビュー
- コマンドユニット(2009年 父ブライアンズタイム) 2歳5月地方デビュー
- バードオンアスク(2011年 父マンハッタンカフェ) 3歳11月地方デビュー
- ドゥオーモ(2013年 父ディープインパクト) 3月デビュー
- コマンドブルックス(2018年 父ワールドエース) ?
デビューは遅くなりますが、中央デビュー馬は全頭勝ち上がっていますし、地方デビューのバードオンアスクは、晩年は中央で走っていました。
唯一、ブライアンズタイム産駒のコマンドユニットは地方デビューで2戦したのみで引退となりましたが、Roberto 2×4×5(血量34.38%)という濃い目のクロスを持っていましたので、体質が弱く出たのかもしれません。
その仔を除けば勝ち上がり率100%ですから、母似なこの仔はデビュー時期が翌年になっても心配はいらなさそうです。
稀な大型馬
今世代の2歳愛馬達は身体の大きな仔が多いです。4頭中、キャロットクラブのロイバルト(父スクリーンヒーロー)とコマンドブルックスが500kg超で、カイザーノヴァが480kg、フィルメーザが460kgくらいです。一口初年度の仔達(2016産)は小柄な仔が多くて順調さに欠けましたので、意図的に馬格の十分な仔を選んだ結果です。
ただ、大きな馬体は仕上がりが遅くなりがちですが、コマンドブルックスはその典型と言えそうです。
そこで、ワールドエース産駒が晩生なのかどうか調べてみましたら、デビュー時期は早い仔もいれば遅い仔もいるといった風に散らばっていました。
ワールドエース産駒の特徴
ワールドエース産駒(2017年産)の中央デビュー時期 全50頭中
- 2019年6月 5頭
- 2019年7月 6頭
- 2019年8月
- 2019年9月 4頭
- 2019年10月 6頭
- 2019年11月 3頭
- 2019年12月 7頭
- 2020年1月 4頭
- 2020年2月 4頭
- 2020年3月 7頭
- 2020年4月~
- 未デビュー 4頭
唯一、デビュー時の馬体重が500kgを超えていたソルトキャピタルは7月デビューですから、馬格によって早い遅いの特徴が出ている訳ではなさそうです。
馬格といえば、ワールドエース産駒は小柄な仔の方が多いです。デビュー時の馬体重が440kg以下の仔がちょうど半数の25頭で、441kgから480kgの中くらいの馬体の仔が18頭、481kg以上の仔が3頭でした。
ワールドエース産駒(2017年産)のデビュー時馬体重 全50頭中
- ~420kg 11頭
- 421kg~440kg 14頭
- 441kg~460kg 10頭
- 461kg~480kg 8頭
- 481kg~500kg 2頭
- 501kg~ 1頭
- 未デビュー 4頭
「馬体が小さめ」ということは、デビュー時期の早い遅いよりも種牡馬の特徴として言えるかもしれません。小さいより大きい方が好みですので、コマンドブルックスは、馬体の大きい貴重なワールドエース産駒といえます。
そして、気になる勝ち上がり率は、26%でした。他の産駒と比べて多いのか少ないのかは、別の機会にすることとします。
ワールドエース産駒(2017年産)の勝ち上がり馬 全50頭中
- 勝ち上がり頭数 13頭
勝ち上がっている13頭のデビュー時期と馬体重は様々ですから、デビュー時期と馬体重から走る仔の特徴を見出すのは無理そうです。どんな仔も走る可能性があるということで、新種牡馬らしくていいと思います。
特にコマンドブルックスは、その中でも巨躯という個性を持っていますから、これからの育成でどんな走りを見せてくれるのかとても楽しみです。
近況報告
20.05.08
坂東牧場在厩。この中間より、トレッドミル入りを開始しています。
「大きな体を持て余し気味ですので、本当はもっと乗り進めていきたいところですが、これまでの経緯や成長の度合いなどから考えますと、まだ無理はできない状況。まずはトレッドミルでの調整から再スタートとなりました。現在は速歩を10分程度。これをステップに馬場入りにつなげていければと思います」(荒木マネージャー)20.04.24
広尾サラブレッド倶楽部
坂東牧場在厩。引き続き、ウォーキングマシン60分にて管理されています。
「歩様に異常はなく、トモの疲労感も徐々に抜けつつありますが、思っていたよりも最初のヤマを迎えるのが早かったものですから、目下は慌てることなくリフレッシュに努めているところ。扱う側がうまく押し引きしながら、成長を待ってあげた方が良さそうです」(荒木マネージャー)
20.04.10
広尾サラブレッド倶楽部
坂東牧場在厩。トモに疲れが溜まってきたことから、現在はウォーキングマシン60分でリフレッシュを促しています。
「周回コースで乗り進めていく中での最初のヤマ。特に右トモがお疲れ気味になってきましたので、今は楽をさせて回復を待っているところです。生まれが遅く、また500kgを超える大型馬でもありますので、軌道に乗ってくるまでに少し時間を要することになるのかもしれません」(荒木マネージャー)
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